いつもどこかいい加減で本気を出そうとしないオレンジに、コバルトは嫌悪を抱いていた。

ある日、コバルトはオレンジの両親が彼にずっと冷たく当たってきたことを知ってしまう。
しかしコバルトは話を聞いて納得がいかずオレンジを挑発する。
両親のことを見返してやれと。

コバルトは徐々にオレンジを意識し始め、
オレンジもコバルトが自分と似たような寂しさを抱えていると知り何かが変わり始めていた。

ある日、会社にオレンジの兄が尋ねてくる。
オレンジを見下し、罵った後自分の仕事を手伝えと、どうでもよさそうに話す。
当然それに反発するオレンジ。
彼の生意気な態度にイライラした兄は笑いながら言い放った。自分とは本当の兄弟ではないと。

一度家に帰りちゃんと話を聞こうと決めたオレンジ。逃げるしか出来なかった昔の自分とは違い、
今は信頼できる人と、帰る場所があるから強くいられる気がしたのだった。

コバルトは少しでもオレンジの力になりたかった。
彼女は彼の帰りを信じて待つ。

久しぶりに家に戻ったオレンジ。
そして知る、自分は父だと思っていた人の弟の子供だったのだと。
母も父も相変わらず自分に冷たかったが、
いつか変わっていける日が来るのかもしれないと
今は少し余裕を持って考えられるようになっていた。

寮の前、コバルトは待っていた。
今回の事でオレンジはコバルトの存在がとても大きかった事を知る。
オレンジが一番ほしがっていた愛、それはこんなすぐ側にあったのだった。